まほろば【古代編】
少年の返答など聞かずに、さっと少年の横を通り抜けるとさっさと先に進み始めた。

「はぁー」

少年は深い溜息をつくと、前を行く少女の背中を見つめる。

少女がくるりとこちらに振り返る。

「こらー、何してるの。さっさとしないと置いてくよー!」

傍若無人。

そんな言葉がピッタリな少女を見つめて苦笑する。

「ま、いっか」

そして、また一歩少年は前に踏み出す。

これから、どんなことが待っているかはわからない。

だけど、これだけはいえるだろう。

すべての人に――

ありがとう。

『まほろば【古代編】・完』
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