俺様先生は王子さま
結局のところ…
あたしは、坂崎紗英(さかざきさえ)。


中学一年生のあたしは、結局のところ、あることに気付いた。


オレ様、先生、そして王子様だったんだ!


「ナニ、ぶつぶつ言ってんの?」


隣の席のミチルが、あたしにささやく。


「理想のオトコ……」


「なによ、それ?」


「ケータイ小説を書いていて、気付いたの」


「ふうん」


興味を失ったのか、ミチルは授業を聞きはじめる。


「ねえ、聞いて。ケータイ小説でウケているのは、殆んど三拍子そろってるの。オレ様、先生、それと……」


「王子様なんでしょ」


めんどくさそうに、ミチルが合いの手を入れる。


「そう、それよ! なんで知ってるの?」


「ぶつぶつ言ってたじゃない。だけどさ、アンタ、肝心なことが抜けてるよ」


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