眠りの国から愛を込めて
始まり
学生時代の自分がどんなに贅沢な悩みをはいていたのかと自分で呆れながら僕は家へと続く坂をあがっていた。

社会人一年目
学生時代との様々なギャップに苦しみながらもなんとか仕事をこなしている。

家につき夕飯作りのために鍋に火をかけキッチンから離れテレビをつけた。テレビからはアナウンサーのはきはきとした声が聞こえてくる。

今夜流星群が見えるらしい。ふと去年別れた子を思い出した。星と海が好きな大人しいこだった。星がふるピークは明日の朝の2時頃。ちょうど明日は休みだ見に行くことにしよう。

未練があるわけじゃない。彼女とは友人として今もたまに連絡を取り合っている。

鍋にパスタを入れてくっつかないように箸で転がす。
ふと激しい絶望感に襲われた。誰かに熱く語れるような趣味もなく大切な誰かがいるわけでもない。職場と家との往復。一人の夕飯。
明日の休みも流星群を見に行くことしか予定がない。
茹で挙がったパスタに市販のタレをかけ興味もないドラマを見ながら友達の忘れてったタバコに火をつけ彼女でも作るかと考えながらむせこんだ。どうもタバコは俺には合わないみたいだ。
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