先生と王子様と演劇部な私。
「あ、あの?」


 朗先生が、ん? というように少し首を傾げる。


「朗先生は先生で、私は生徒ですよね?」

「残念ながらそうだな」

 残念ながら? そこがよく分からないけれど、今はそれは置いておこう。

「マズイ、ですよね」

 先生は目を閉じて額に手をやると、はぁ……と溜め息をついた。そんな呆れている朗先生にさえ見惚れてしまいそうになる。


「そんな感想なのか……」


「は?」


 朗先生はゆっくり目を開くと、真っ直ぐに私の瞳を見つめた。


「嫌だとか、嬉しいとか。まずはそれが聞きたい。先生とかそういう抜きで」

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