先生と王子様と演劇部な私。
 それを早く言ってくださいよ! と言いながら私は慌てて入り口に走ろうとした……のに、朗先生が腕を掴んでくる。


「――?」


 思わず掴まれた腕を見て、そして朗先生の顔を見た。


「何で今、目を逸らした?」


 ……はい?


 朗先生は無表情にこちらを見つめている。掴まれた腕がちょっと痛い。自然に目線が朗先生の手にいった。


 この手、山野がベタベタ触ってた朗先生の腕……。



 バッ。


 咄嗟に。ムシャクシャして、手を強引に解いた。朗先生が少し驚いた顔をしている。


 さっき堀木戸さんの話を聞いて、ちょっと改めたつもりだったのに……何て嫉妬心。



 自分が恥ずかしくなって、走って教室を飛び出した。
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