先生と王子様と演劇部な私。
勝手に勝ち誇った顔で山野の姿を見送っているとまた視線を感じた。朗先生だ。なのに、また目をすぐに逸らされる。
……。
朗先生はスタッフスペースの端に座ったままだった。
私が紙コップにアイスコーヒーを注ぎ、先生の元へ歩み寄ると少し驚いた顔する。
どうぞ、とアイスコーヒーを差し出すと、朗先生がありがとう、と受け取ってくれた。これだけで何だかちょっと嬉しい……。
朗先生がそのままコーヒーを一口飲んだ時、お客が増えてきたよ~、と誰かの声がした。何人かが外に出てたり入ったりで、少し周りが騒がしくなる。
――これは話しかけるチャンス!
「山野のメイド服、可愛かったですね?」
私は探るように小さな声で聞いてみた。
「興味ない」
朗先生の即答が返ってきて、顔がニヤけそうになるのを必死で我慢した。そのまま先生の前で、くるり、と一回転してみる。
「似合ってますか?」
スカートの裾を少し持って、わざとおどけたように言ってみた。さぁ、って言われたらショックだから、あくまで軽くね。
……。
朗先生はスタッフスペースの端に座ったままだった。
私が紙コップにアイスコーヒーを注ぎ、先生の元へ歩み寄ると少し驚いた顔する。
どうぞ、とアイスコーヒーを差し出すと、朗先生がありがとう、と受け取ってくれた。これだけで何だかちょっと嬉しい……。
朗先生がそのままコーヒーを一口飲んだ時、お客が増えてきたよ~、と誰かの声がした。何人かが外に出てたり入ったりで、少し周りが騒がしくなる。
――これは話しかけるチャンス!
「山野のメイド服、可愛かったですね?」
私は探るように小さな声で聞いてみた。
「興味ない」
朗先生の即答が返ってきて、顔がニヤけそうになるのを必死で我慢した。そのまま先生の前で、くるり、と一回転してみる。
「似合ってますか?」
スカートの裾を少し持って、わざとおどけたように言ってみた。さぁ、って言われたらショックだから、あくまで軽くね。