先生と王子様と演劇部な私。
 衣装は幸か不幸か手直しの必要もなく、また保管場所に戻さないといけない。面倒くさいです……。


 朗先生を見ると、またこちらを見ていた。目が合うと、いつものように何もなかったように逸らす。


 いやいや、今は逸らしてもらっちゃ困ります!


「朗先生!」

 石川先生はちらりと朗先生を見て、お先に、と帰って行く。

「何だ」

「衣装戻すの手伝ってください」

「……あぁ」

「やった!」

 あは、いつもの返事が、あぁ、で良かった。了承ってことだもんね。
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