先生と王子様と演劇部な私。
「何だよ、俺が喋ったら変か?」

 ハイ変です、とは心の中だけで言っておく。先生が、何か言ったか? とジロリと見てきた。


「だ……だって、先生っていつも、あぁ、しか言わないじゃない」

「それで教師生活が成り立っているわけないだろう」

 先生がちょっと不機嫌そうに答える。


「朗先生、自覚ないの……? 朝礼。とか、159ページ、3番。とかしか言ってないですけど」

 ちなみに159ページ、3番は、159ページを3番が読めということ。考えれば分かるんだけど、最初はみんな結構……いや、かなり戸惑っていた。



「……通じればいいだろう」


 ぶっきらぼうに言う先生がちょっと可愛く見えて、クスクス笑ってしまう。

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