大好き。





「せやから防虫スプレーであの害虫を退治せな!」



「ちょっ…ちょっと待って!」



「なんや?」



「取られたくないってどういうこと?」


そこ大事だから!


しかも害虫って何!?




「あっ」


あはは、と笑いだす水城の顔が徐々に赤くなってく。



「お、俺にあんな本気でぶつかってきたんは優ちゃんが初めてやってん」


赤くなった顔を片手で隠して、目を逸らす。



「気づいたら…惚れとった」










「み、水城ぃ…」



「うわっ何で泣くん!?」



「だって…だってぇ」


あたしが号泣し始めると、水城は困ったように頭を掻いた。


困ると頭掻くのって癖なのかな。


…なんて泣きながら冷静に考える。





「……優ちゃん」


その声に視線を上げたら、水城が満面の笑みを浮かべていた。




「大好きやでっ」



゚・*:.。.END.。.:*・゜
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