大好き。






「……あなた誰ですか」


本気でヤクザさんだったら嫌だなぁ…、と思いながら眉間に皺を寄せる。


「えっ」


驚いたように目を見開くが、すぐに笑った。




「名乗るほどの者やない」


「……は?」


何言ってんの、こいつ。


ウインクをする彼を見つめる。



「ぶっ…やっぱ優ちゃん最高やぁ」



「はぁ?」



「そんな反応されたの初めてや。俺が誰なのかはいつか分かるで」


ニコニコと色々話しながら、結局駅まで着いてきた。



着いてきたっていうか…あたしの事を心配して送ってくれたんだろうけど。









そして、彼の正体は翌日分かった。
< 7 / 63 >

この作品をシェア

pagetop