ヴァンパイアと人魚姫
エレスは、頬にあてた私の手に手を重ねてきた。


「サラ…今日はサラに本当の事を言うために来たんだ…」

そしてエレスは話してくれた。
お母さんを慕っていたこと…

そして父にヴァンパイアにされてやむを得ず母を殺したこと…

それを言い終わるとエレスは涙を流した。


「サラ…ごめん」


小さく力の無い声でエレスは謝ってきた。


エレスもずっと苦しんでいたんだ…

ママを殺したこと、そしてヴァンパイアに生まれてきてしまった事を…


「エレス。もう良いよ…。でも私を気にしていたのはママの娘だから?」


そう聞くとエレスは困った顔をした。


「最初はそうだった…。けど真珠をくれた時のサラの笑顔が忘れられなくて…」


「ねえエレス…。私、エレスの事好き…。エレスは?」


そう聞くとエレスは目を見開いていた。


「サラが俺を…?」


私がコクンと頷くとエレスは私に抱きついてきた。


「俺もサラが好きだ。でも…」

「でも何?」
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