新月の夜
再会、母の妊娠、受け入れられない息子と不思議な声。
「もしもし、母さん?亜希だけど。」

母は、

「あつきに促したの亜希でしょ?」
「…見抜かれてたんだ。」
「わかるわ。私の息子だもの。亜希は優しいから。」
「…母さん、父さんと来てよ。」
「どうしたの?」
「滅多に来ないから。絢美も寂しがってる。だから。母さんや父さんと過ごす日くらい作りたい。土曜日休み連絡するから。あつきも絢美もみんな休みの日。」

母は、

「わかった。行くわ。」
「迎えに行くから。」
「約束するわ。」


「母さんと約束した。」
「本当?」
「あとは少しずつプランを作る。」
「きっとママ喜ぶよ。」


「父さん、兄さん、話があるんだ。」
「?」
「母さんには内緒にして欲しい。」
「……(話)。」

父は。

「それはいいことだ。母さん泣いて喜ぶぞ。」

兄は、

「私も手伝うよ。大事な弟の頼みなら。それに、母さんにとって大切な人ならば。」
「ありがとう。」

悠太は言うと父は、

「私こそありがとう。悠太には感謝する。」


麻友美は、祐貴といる。

「どうだった?」
「楽しかったよ。どうして?」
「気になる…かな?」
「何々?何が〜?」

ぎゅっ。

「内緒。」
「白状しなさい。」

ギシギシ。

「あの…かわいいなって。」
「だあれ?」
「……。」
「さおちゃん?美里?絢ちゃん?」

祐貴はドキッ!?麻友美は、

「絢ちゃんだね。聞いちった。」
「誰にも言わないで…。」
「言わないわ。」
「あの時いい人だなって思って…。最近テレビで見る度だんだん意識してるんだ。」
「絢ちゃんかわいいでしょ?」
「うん。」
「祐貴かわいい〜。お姉ちゃん協力してあげる。」
「そんな…。僕には合わないよ。勿体ない。」
「祐貴は私の誇り。だからお姉ちゃんが合わせてあげるね。」

麻友美は祐貴を抱いて、

「お姉ちゃんを捨てたらダメよ。」

見つめる。

「…姉ちゃん彼氏いるだろ。」
「それでも祐貴は誇りなの。守りたい。」

祐貴はにっこり抱き返して、

「姉さんは僕にとってずっと特別な人だから。姉さんもだろ?」
「そうよ。」
「姉さん甘えるの好きだね。」
「祐貴は?」
「同じだよ。」
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