新月の夜
て、子供まで作ったのか!!」
「……。」
「お前、妹のお腹を大きくさせておいて何をしていた!あさみもあさみだ。家出するとはどういう事だ。することはしておいて今までなしかよ。説明する責任がある!」

そこに未亜が、

「多岐、やめなさい、そいつはあなたより年上。あさみは妊娠の不安から、一人で逃げただけ。そいつは妊娠を告げていなくなった恋人をずっと捜して、捜し当てた愚かな私の同級生。」
「う…。」
「要点を話しただけ。ナオキ、否定できないよね。」
「……。」
「離した男に愛する資格なんて?」
「多岐、あなたにはあさみの左手のダイヤの少しでかいハートの指輪を買えるような財力ある?そいつはできるから怖いわ。」
「…そんなのできない。」
「…何故知ってる未亜?」
「さっきまで知らなかったわ。あなたの仲間にこっそり聞いた。」
「誰だ?うちの事情を知ってる人は少ない。自分からはイヤミすぎて言わないからばれた人のみ。」
「さあね。あなたの仲間はみんな知ってること。」
「…調べる糧はある…か。」


「生まれるまではあさみは実家にいました。ですので毎日通いました。私が来たらあさみはにっこり迎えてくれる。…それを見てあさみの両親は認めるしかなかった。そして仕事をしていた金曜日、携帯に電話が入る。こっそり隠れて出た。未亜からでした。あさみが入院して、少しずつ痛みがきている。駆け付けた時、あさみは苦しんでいました。少しずつくる痛み、ずっと手を握っていました。私には励ますことしかできませんでした。何より無知で、助けるのに動揺して、それから40時間苦しんで生まれた息子。」
「…暴かれてる気分ですねぇ。」

和也は言う。

「父は、話したのは同じ過ちを繰り返して欲しくないから。女の人はデリケートだ。不思議。母って偉大だ。あんなに痛い思いしているのに、へへっ、ナオキさんの赤ちゃん産めて幸せだよ。産まれて1番痛かったけど1番幸せ。あ、抱いてる。嬉しいな。へへっ。かわいいね。とにこにこしていた。悠が生まれた時も、和也が不思議そうにぷにぷに触ってた。」

あさみは悠太を抱いて、ほお擦りして、

「こうするのよ。」

悠太はきゃあきゃあ喜んでいる。和也はにっこりほお擦りする。悠は喜ぶ。和也は虜になる。


「私は悠を抱く。すると和也は羨ま
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