新月の夜
「3しゃい…。」

おどおど。

みのりは、

「なっちそっくりだね。写真を見ても間違えるくらい。」
「下の子は2か月だな。」
「奥さんはいくつ下?」
「5つ下、23だ。」
「若い。肌もキレイ。でも、大胆だよね。10代の女の子を妊娠させるなんて。」
「出会った時は妻は16だった。」
「好き?」
「ああ、妻しかいない。」

あさみは赤くなる。

「や…やめて。」

ナオキはあさみの額にちゅっ。とキスして、

「こんなにかわいい妻どこにいる?2人もかわいい息子を授かって、全てを奪われてるよ。子供を授かるのは容易なことではない。長男は最初でできたけれど。次男は望んでもすぐにはできなかった。本当にあさみには申し訳ないと思ってる。親があんなだから、苦しめて、…オレがもう少ししっかり、強ければ守る事できたのに。泣かせる事なかったのに。DNA鑑定という姑息な手段を使い血の繋がりを調べ、旧姓を使わしてまで、会社に夫婦を隠されて。守ることができなくてごめん。」
「…そんな事ない。私のせいです。」
「あさみと会えてよかった。」

未亜は、

「3人目を作らないの?」

「義人、みぃ、彩人の事、覚えてるよね。」

義人は、

「あれは事故だろ。」
「…違う、因縁だ。7つで亡くなったあいつは、三男。先祖代々、長男の子の三男は亡くなっている。残っている。かかりし呪いの書。踏み出せない。オレはあさみの子供ならいい。でも、あさみが傷付くのが怖い。」

みのりは、

「なっちはなっちで考えてるのね。」
「みぃ、焦るのは手じゃない。ゆっくりでいい。急かして負担になれば辛いだけ。みぃ、悠太抱いてみる?練習だ。」
「え…いいの?」

あさみは教える。みのりは悠太を抱く。見つめられる。

「かわいい。」


それからというもの、みのりもかなり安心する。未亜のお腹が少し膨らんできた頃。みのりにも異変が。

「うっ…うぅっ!?」

吐く、義人の妹、葉香はたまたま通り掛かる。さすって、

「お姉ちゃん、不妊症じゃないじゃん。きっと妊娠してるよ。ね。」
「…葉ちゃん。」

葉香はみのりにキスして、

「お兄ちゃんに話すの楽しみ、葉香、お姉ちゃんへできることしたい。」
「ありがとう。」

義之は
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