新月の夜
っと話広げたら?」

亜希は絢美に言う。

「お…お兄ちゃん…どうしよう。」

亜希は、

「はっきり言いなさい。仕方ない姫ですねぇ。」

絢美から電話代わり、

「妹が、君に興味があるって。」
「お兄ちゃんやめて…。」
「今、番号出てるの、私の携帯ですから。絢美の番号は…080…。」
「お兄ちゃん!」
「あとは会った時に直接聞いてください。そこまでは知恵を出しません。」
「…やめて!」
「では、その時は迎えに行きますので。」

切る。絢美は亜希に、

「お兄ちゃんひどいよ…。」
「会いたい?本当のキモチ言った方がいい。こんな不器用なことしかできないけれど絢美の為に何かしたい。」
「お兄ちゃん…。」

一方、放心状態の祐貴。顔は赤い。

「…夢を見てるみたいだ。」

そこへ、

「電話終わった?」

麻友美が来る。

ドキッ!?

「う、うん。」
「何の話?男だけの話って。」
「…うん。」

麻友美は挙動不振な祐貴を見て、

「おかしいよ。顔ほてってる。熱あるのかな?」
「う…。」
「何?」

抱き着く。

「祐貴、心臓バクバクだよ。話したのお兄さんだけじゃないね。絢ちゃんもいたんだ。」
「……。」
「何話したの。」
「…誘われた。」
「本当に!?」
「…きっと策略だよ。僕なんて…お兄さんからはめられて。」
「あのお兄さんそんなことするような人じゃないよ。誰よりも妹思いで、優しい人だよ。」
「…僕なんか好きになるはずない。」

祐貴は麻友美に促され、絢美に電話する。絢美は、

「…ごめんね。お兄ちゃんがいきなり電話して…あんな事するような人じゃないのに…でも、少し嬉しかった。私なんか…相手にされないかもしれないけど知りたいのは本当なの…。」
「え…。」
「麻友ちゃんと一緒に来て…なんて。私どうかしてるかも。…。会ってお話がしたいの。」
「本当ですか?」
「はい。」


「うそだ…。」

祐貴は悩む。麻友美は、

「絢ちゃん素直だから会って確かめてみたら?」
「…僕なんて相手にされるわけ…。」
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