新月の夜
エピローグ〜未来へ〜
家に着いて、奈央を抱いたあさみにナオキは優しくキスをする。

「愛してる。あさみは最高の女だ。世界で唯一の。あさみ以外の女性なんていらない。」
「私もナオキさんしかいらないわ。」


「お帰りなさい。」

和也が迎える。

「あ、奈央眠ってる。」
「…泣き疲れたみたい。」
「何で?」
「…珍しく奈央がぐずってね。」
「悠ちゃんの前で?珍しいね。明日雨だね。」
「ところで和也、誰か来てたの?」
「何で?」
「シャンパングラスが二つ洗ってあるもの。それに、シャンパンの空き瓶があるでしょ?」
「ああ、友達が来ててね。」
「女?」
「まさか、男だよ。」
「え〜。」
「母さん、怪しんでる?大丈夫だよ。」
「男だったら大丈夫じゃないのよ。」
「…まあいいじゃん。さあさあ、聞くよ。」

和也は母の肩を押して居間へ。

(女モノの香水の匂いしてる。和也の嘘つき。男同士でシャンパンなんて飲み物なんて飲む?いくら和也が弱くても。)


和也は居間で眠っている奈央の髪を撫でている。

ピクッ。

奈央が起きる。
奈央は和也から匂う、甘い果実の匂いに、きゅん☆とする。

「奈央?」

甘える奈央。母は、

「匂いでしょ?誰といたの?あなたが女モノの甘い果実の匂いの香水なんてつけないでしょ。ねぇ?」

母は和也の肩に手をかける。

「…本人の為に黙っておいたけど母さんには感づかれているし。そうだよ。さっきまで女性と一緒にいました。」
「彼女?」
「違う、里菜だよ。」
「え、里菜ちゃんは確か遠くに…。」
「外で歩いていたら里菜に会ってね。すごく落ち込んでたみたいで話し掛けてみたら、一緒にやけ酒盛ってくれる?と言っていたから、女性なのにやけ酒でビールは悲しいからシャンパンにしようよ。と言って相談に乗っただけ。内容は守るけどね。お酒が弱い僕でも酔わなかったのに里菜ったら泣くわ泣くわ…。」
「和也は里菜ちゃんを優しく介抱してあげたの?」
「…酔えないよ。家まで送ってあげました。いつでも相談は乗るよと。連絡先は渡して。仕事行きたくないみたい。母さん、父さんには内緒でいてあげて?」
「わかったわ。」


麻友美と悠太は一緒にいる。

「悠と出会ってからね、…何なのかなぁ。楽しかった事も多か
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