新月の夜
兄と兄のつながり
絢美と麻友美のコンビは、少し休憩。麻友美たちのデビューに向けて準備期間。麻友美と悠太の出来事から1年が過ぎ、文化祭シーズン。役員からは免れたものの、その年も2年連続で絢美が来る。なので麻友美は手伝って?のご指名。麻友美が手伝いならばみんなついてくる。
文化祭(麻友美ら短大最後の)絢美は昼からなので午前は準備。沙織は外でいた。すると。

「おはようございます。」

祐貴だ。

「おはよう。麻友?中にいるんじゃないかな。」
「いや、姉さんじゃないんです。あいつ。」
「へ?…あぁ。そろそろ仲良くしたらいいのに。麻友悲しむよ。」
「仲良くするために二人で話したいです。」
「中にいるのに。」
「姉さんには内緒にしたいんです。」
「…わかった。呼んでくるね。」

沙織は中へ。木陰から。

「祐、よくやった。」

ニヤリ。

「麻友の男というものを見たいものだ。」
「兄さん。僕は隠れてる。」

麻友美の兄と弟。何故なら前日、

「麻友の男って明日現れるのか?」
「いるよ。だって僕と同じ大学だし。」
「拝んでみたい、麻友を汚した男。」
「おびき出すことくらいできるよ。」

そして、

「誰か来ないかな。」

沙織が出てくる。

「あっ、さおちゃん!」
「…(なんてかわいい人だ。)」
「兄さん、作戦実行するよ。」
「わかった。(かわいい)」

何も知らずに出てくる悠太。

「(何だ?呼び出しなんて…。)ふぅ…。」

そして。

「!?」

悠太は気付く。祐貴に似ているが落ち着いている感じだし背も祐貴より少し小さい。
悠太の左手の中指に麻友美と同じ指輪。

「…えっと。弟くん…ではなくて?」

殴られる悠太。

「な、何ですか!?」

倒れる。頬を押さえ、呆然。

「お前か、汚い男。」
「何がですか?」
「てめぇ!!」

胸倉をつかまれる。
また殴られる!?思ったら。

「何してるの…?」

麻友美だ。麻友美は悠太がいないのに気付き、探しに来たのだ。麻友美は悠太を解放させ、抱き寄せて。睨んで。

「何するの!ひどい…ひどいよお兄ちゃん!!」
「お兄さん!?」
「最低。」

麻友美は悠太に

大丈夫?」

悠太は動揺している。
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