新月の夜
悠太のお兄さん!」

みんなびっくり。
「仕方ないですね。お兄さんと弟さん。奪った本人にはそれは憎いでしょ。」
「…余計落ち込むことを。」
「でも私は世界で唯一のその弟を溺愛してますから。自信のある弟なんて思いましたら兄冥利につきる。なんてね。物事はプラスに考えないといけない。さぁて。秘密知ってしまいました。彼女があ〜んな声しているなんて。その声を聞きに駅まで行くのは当然だね。では、私は帰ります。去年は忙しかって見れませんでした。今年は見れてよかったです。では、先輩、失礼致します。」

兄は去る。

「…。」

悠太は黙る。みんなじと〜。
(麻友のお兄さんだよ〜)

麻友美の兄は悠太に、

「ごめん。怖がらせてしまった。妹を奪った不埒な男だと思ったらイライラした。妹の身体を奪って泣かせて、妹は健気に守っている。」

麻友美は、

「お兄ちゃん、違う。私の意思だよ。気付いたの。こんなにいい人もう現れない。この人が守る人。なくてはならないの。」
「…麻友の方が随分大人だ。祐、行こうか。」
「うん。」
「いくら妹が許した相手でも、傷付けるようなことしたら今日以上に殴るからわかったね!」

悠太は、

「…はい。」

兄と祐貴は去る。

誠治は、

「悠太、殴られたんだぁ。」

沙織は、

「あれ?弟くんに呼ばれて…。」

弓削は、

「そっくりだから間違えたとか。」
「違う、私の名前知ってたし。」
「入れ代わり?」
「…。」


文化祭が終わり、帰り。電車に乗り、駅に降りて、改札口を抜けて、出口を出る。すると、

「!?」

悠太は麻友美を抱き寄せキス。麻友美も応える。見つめ合う。悠太は、

「抱いていい?麻友を今抱きたい。」
「…少しだけだよ。」


ベッドの中。二人は愛し合う。麻友美が声をあげる。悠太は、

「そんな声出したら、興奮するよ。」
「いいの。あ…あぁん!!」
「麻友、愛してる。お兄さんを裏切らない。本当に誰かわからない人にいきなり殴られた時、何が何だかわからなくて、抵抗できなくて、ただ殴られて、倒れることしかできなかった。」
「ごめんなさい…。」
「麻友、一生大切にする。いつか、麻友をもらうから。だから、いずれは平川の姓になって欲
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