新月の夜
。きれいなままがいい。兄さんと同じ意見です。兄さんもそういう人ですから。傷つけたくない。抑えることも礼儀。男は良くても。傷つくのは女の方だと思う。責任。先の事を考える。」

麻友美は、

「あの坊ちゃんに聞かせたいくらいだわ、」

呟く。

「誰?」
「…。」
「彼氏ですか。」
「…。」
「傷つけるなんてひどい男ですね。人は十人十色ですから仕方ないですけど。あ、見えてきました。では中へ行きましょう。」


沙織と美里を降ろして。麻友美とあつきで向かう。
車の中、あつきは麻友美に、

「彼氏、もしかしてあの男のコ達の中にいます?」
「え?」
「話を聞いていたらそうとしか思えない。」

麻友美は諦めて、

「はい。3人の中の一人です。嫉妬深い世間知らずのお坊ちゃん。すぐに怒るんだから。少しは信頼して欲しいわ。」
「きちんと避妊してますか?」
「…してます。大学生ということは自覚してるみたい。全て話します。お兄さんにも話しました。本当最初からバカ。一目ぼれして、覗いて、数ヵ月して話し掛けた言葉は゛チビ゛大っ嫌いだった。本人いはく、話してるだけで嬉しくて抱いてしまいたかったって言ってた。私、集団にレイプされそうになった。その時、彼は来てくれて守ってくれた。いくら殴られても、私に手を触れさせないように。痛々しいかった。集団対一人。勝てる訳ない。なのにいくら言っても聞かない。この人死んでしまう。そう思ったら力を振り絞って逃げるしかなかった。振り切れた。気にしても。チビチビ意地張って、むかついた。でも守ってくれた人。お礼をしたかった。手当して、優しくしたら、いきなりキスされて、私は記憶を失った。彼は気付いていた。私と関係を持ったこと。私には記憶がないこと私に隠して、何もないふりしてました。」

「私が痛い痛い泣いてたから更に言えなかったらしいんです。それからも隠して、いつものようにちょっかい出してました。お互いを知ってしまった。夏休み明けに文化祭の役員で、6人で会った時にいた。初めて名前を知った。営業スマイルに苛立つ。そんな人じゃない。…少しずつ練習していたら、いきなり、怒りだして、連れ出され、襲われた。」
「…少し聞いたら単純な人だけど聞いていくとやはりひどい男だ。」
「…何も記憶のない私は、拒絶しました。近くにいるだ
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