新月の夜

「欲しかったわ。でも悠太でいいの。あなたは大事な子供。ママから話してばかりで、あなたはしっかり聞いていたね。話して?いるのでしょ?あなたはもうすぐ21。聞きたい。…。女のコ。」
「…誰にも言わない自信ある?」
「もちろん。」

悠太は話す。

「一目ぼれしたんだ。最初は話せなくて見てるだけしかなかった。」
「ふふふ。」
「何?」
「一目ぼれしたんだ。私もだし。」
「…聞いた。」
「悠太から求めたでしょ?」
「…うん。」
「私と瓜二つな顔してるし。」、
「…自信過剰。」
「じゃあ自信あるの?」
「…ないよ。ママが、抱いてあげようか?」
「いらない。」

ぎゅっ!

「母さん!?」
「暴走するなとは言わない。あなたは男よ。本当に出産って痛いんだから。それに初めても痛いわよ。」
「…言ってた。あらら処女を奪ったのね、きや〜。大切にしなさい。ママも最初を奪われたのはパパよ。すぐに出来てしまったけど。私のわがままだし。ここまで抱いて、ナオキさん、妬いてくれないかなぁ。クールだもの。」
「父さんと母さん仲良しだよ。」
「…迷惑かけたから。ママはパパを愛してる。運命だから。」
「今エッチしてるの?」
「息子には言えな〜い。」

母は悠太に囁く。

「想像に任せるわ。ただし、あなたが彼女に思っているだろうキモチとママのキモチは同じだから。」
「は?」
「あなたが彼女を求めるのならばママもパパを求める。それだけ。」
「…。」
「それ以上聞くと自分の首を締めることになるよ。」
「…。」
「女の人がきれいになれるのは。男の人をずっと好きでいれること。では、パパの所へ行こうかしら。」
「…。」


「あのね。」
「ん?」
「悠に話してきた。」
「何だ?」
「私とあなたの話。」
「何と言ってた?」
「しっかり受け止めていたわ。」
「…そうか。」
「呪いの事気にしてた。」
「次男なのに?」
「自分のせいで私が子供を生めなくなったって。」
「…あいつはあいつなりの悩みか。」
「あの子、しっかりしてる。気付かないところで自分の考えを持ってる。」
「あさみも芯がしっかりしてる。逃げたのは軽い考えだけど。」
「…ごめんなさい。」
「あれがあったからすごく大切に思える。」

ちゅっ。
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