新月の夜
つもりだ。」
「やはり羨ましい。憎いこの立場。私がいなければ悠ちゃんもいないけど運命だから仕方ないなんて言っても何度宿命を責めたか。父さんと同じように告げられたとしたら、きっと同じように不安にさせてしまう。同じ立場の人間を増やすだけ。現時点では呪いを解く方法はない。探すのは無謀だ。探せるならみんな探していますよ。歴代の長男が。だから少しくらい許して。まあ簡単には許してもらえないことはわかってる。悠ちゃんヤキモチやきですから。」
「…あのなぁ、だからって許せる訳ないだろ。」
「呪い?」

3兄弟は言う。

悠太は、

「話せば長くなる。本家の長男がかかる呪い。何で男2人兄弟か。父さんの呪い。女が生まれる保証がない。だから作れない。」
「3人目に男ができると不都合…?」

亜希は言うと。悠太は、

「3人目の男は必ず死ぬ運命。」
「……。」

絢美は、

「ママ何か言ってなかった?お兄ちゃん。」
「何が?」
「…何か忘れてるような気がする。」
「母さんから聞いた?」

亜希が聞くと。

「…お兄ちゃん達も聞いてないかな?」
「兄さんと僕も?…何だっけ?」

あつきは言う。

「…何か繋がるような気がする。」


まず、その場は離れる。絢美たちは家へ、

「絢美?」
「あ〜や?」

悩んでいる絢美に兄2人は声をかける。絢美は兄2人に寄り添い、

「あの時聞いた呪いに関連してると思う。」
「絢美。」
「あ〜や。」

ぎゅっ。

「!?」
「苦しい?サンドイッチだよ。兄サンドはいかが?。具材は妹だよ。」

あつきが言う。絢美は笑って、

「最高だよ。」
「…ふぅ。エロ弟には前はさせない。大丈夫。きっと思い出す。かわいいかわいい姫が悩んでたら。困りますよ。」
「お兄ちゃん…。」
「心外、エロなんて。信じられてないな。抱いてるのをいいことに胸でも触るとでも?彼女に殺される。」
「彼女を一人ぼっちにさせる男を信じる?」
「…。」

絢美は、

「お兄ちゃんといれて幸せ。あつきお兄ちゃんが来て。もっと幸せ。」
「あつきは絢美に付きっきりの周りから見たらシスコンの私に当たり前のように冷めてたのに、いきなり言ってきて、まさかの展開で絢美が迎え入れたのに、こんなに楽し
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