報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

「ありがとうございました。」


 衣理は去り行く二人の看護師に言って軽く頭を下げた。


「沙織…。今日は帰るわね。」


 衣理は、ドア越しに言って帰って行く。


「お兄ちゃん、この記事読んで。」


 古い古い地元紙だった。


「どれ。」


 悟はじっくりと声に出して読み始めた。


「えーっと。樹莉・パプワさんの死後報復リストに載っていた一人が生き残っていた。少女の名前は影山渚と言い旅館の一人娘である。しかし、この小さな町で事件が起こる。若い女、子どもが行方不明になったのだ。神隠しにあったと大騒ぎだ。犯人の目的も行方不明の者たちも不明のままだ。今も行方は知れない。」


 悟は、読み終えてから記事をコピーしてファイルに納めた。


  
< 128 / 352 >

この作品をシェア

pagetop