恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
そうだよね。お爺さんちなんだもん。

当麻くんからしたら、思い出の詰まった家なんだよね。

「味があるよね。このおうち」

「おぅ。ま、どーぞ」

私の苦し紛れの言葉に苦笑しつつ、当麻くんがある一室の扉を開けてくれた。



革張りの黒い長いソファに、ガラスの低いテーブル。

地デジ対応じゃなさそうな古くてゴツいテレビに、大きなスピーカーとコンポ。

「うわぁ~。ここもまたかなり味があるね…」

「ここ、一番落ち着くわ。このソファでよくうたた寝してさ…、気付いたら朝って事、よくある」

ソファに寝転び、当麻くんがニヤニヤ笑ってる。

「そうなんだ~。お爺さん起こしてくれないんだ」

「あの爺さんが起こすかよ」

「あっ!この写真…当麻くん?」



テレビの上に、木枠のフォトフレームが置いてあった。

ガラスに埃がかぶっていて少し見づらいけど、多分当麻くんだよ。

この生意気そうな顔~。

「あ~、幼稚園ぐらいん時かな?爺さんが撮ってくれたみたいでさ、ずっとここに置いてある」



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