恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「アホ当麻ぁ~。足治った?」

車の後部座席の窓から楽しそーに、天ちゃん先輩が身を乗り出す。

「おかげさまで~。ったく、天は余計なコトばっかしやがって」

「あん?何が」

天ちゃん先輩は、私を見てニヤニヤ。




でも、もう怖くない。

この人のこれは…

本当は強いのに、それを悟られない為の

演技なんだよね。






この間話した時は…別人だった。

きっと

あれが、本当の天ちゃん先輩。







「んじゃ。邪魔者は退散しま~す。見舞いの言葉、かけたかったダケだしぃ?

おぅ、それと…」

天ちゃん先輩は、ニコッと笑った。









…あれっ?

歯が…ある!








「差し歯完了~っ。これで堂々と会いに行けるわな。当麻、サンキュ」

「…おー、悪くねぇな。あいつに…ヨロシクな」

「らじゃっ。じゃあな…オンナも…バイバイ」





天ちゃん先輩は、白い差し歯をキラリと光らせ…笑顔で去って行った。

やっぱり私は

オンナ、なんだ?




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