恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「じゃ、悪いけど」

お兄ちゃんは、ニッと笑って私に棒がついた飴を差し出す。

「もう…いいよぉ、子供じゃないんだから」

とか言いつつ、差し出された赤いキャンディを受け取る。

「まぁまぁ。最近のマイブームはさくらんぼだっ。うまいぜ、これ」

そう言い残し、お兄ちゃんは私の部屋を出て行った。




手元のキャンディを見つめる。

小さい時によく食べた棒付キャンディ。

棒の先端には、赤い三角の飴。

「これ…苺じゃなかったんだぁ」

形も苺っぽいし、てっきり苺かと思ってた。




お兄ちゃんは昔っから、何かある度に私に飴をくれる。

甘い味は落ち着くし、いいんだけど…。

のど飴とかじゃなく、いつもこういう変わり種が多い。だから私の引き出しは、飴だらけ…。

小学生の頃は嬉しかったけど、さすがに私ももう高校生だから。

お兄ちゃん…わかってるのかなぁ。


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