神への挑戦
二章 ミスト
昔も今も思春期の頃は、多少の無茶をするのが一種のステータスだった。

人より目立つ事をし、自分の力をアピールする手段としては、最も単純で解りやすい手段であるからだ…。

ある者は無意味に祭りなどで騒ぎ、警察沙汰を起こし、それを自慢げに話す。

ある者はケンカに明け暮れ、自分の強さを周りに誇示する。

言い出せばキリがないが、人とは違う行為をする事は、子供達にとって、ある意味大切な行為だと言える…。

それが一種の自信に繋ったり、大人になった時の楽しかった思い出になったりするからだ。

そんな背景もあり、未成年という世代の人間は、大人よりも格段に罪が軽く済むのである。

だが、人間の精神年齢は必ずしも実年齢と比例する訳ではない。

世の中には必ず、イレギュラーが存在する。

そしてその未成年の罪は、大人より軽いという現実が…一つの悲劇を起こした。






ファーストマネー。

危険は付きまとうが、短時間で大きな金が稼げる仕事を、人はそう呼んだ。

人の嫌がる職種か、または法律に違反する様な仕事に多いのがこの仕事だ。

そして、麻薬の売買もこの仕事に該当する…。
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