神への挑戦
暗躍する者達
ハヤトが、ライブハウスでこんな展開になっている頃、ミツハルはジャッジタウンの複合地区にある、本社ビルで一人調べ物をしていた。

ミツハルが調べていたのは、ジャッジタウンの本社ビルで厳重に保管している個人ファイルであり、許可なくこのファイルを閲覧出来るのは限られた人間だけだった。

そしてミツハルは、そんな限られた人間の一人であり、調べた履歴を全て報告すれば、全てのファイルの中身を見る事が出来る人間だった…。

ミツハルが調べているのは、ジンとゲンの身辺調査に役立ちそうな情報と、デスやレガシーの主要メンバーの情報だった。

ジンやゲン以外のメンバーの住所などは解っているのだが、どこに居るかは今のところ解っていない。

簡単に言えば、行方不明なのだ。高校には進学しているらしいのだが、一年を過ぎた頃には、全員がほぼ同時に自主退学をしており、その後の行方は両親ですら、解らないのだと言う。

調べれば調べるほど不自然…。

ジンやゲンに関わった全ての人間が、何かの目的のために行方をくらましている。そして、その目的が何なのかが今のところ良く解っていないのだが、世の為、人の為に何かをしているとは、到底思えないのが、この双子の食えないところだ。

不良でありながら、知性を感じさせるあの双子の真の目的。

その輪郭が見えてくれば、今回の騒動に終止符を打つ決め手になるとミツハルは考えていたのだった。

まずはゲンの片腕だったリュウ。

この男は、地元の私立高校に進学を決めると、学校で悪さをする事なく、普通に学業に励んでいたようだ。クラブ活動などはしていなかった様だが、同年代からの信頼は良かったようで、友達は多い方だと報告を受けている。
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