見えないアナタへ〜SHORT STORY〜
「どうしたの…?なんか、この間と雰囲気違うよ?」



華の笑顔は変わってないな。



相変わらず、白くて透き通りそうで……。




「……華」




触れたい。




俺は手を伸ばす。



俺の顔を上から見つめる華に向かって、頬に触れたくて……。




すぅっ。




俺の手は、何も感じない。


人の体温も。



頬の柔らかさも……。




「華…」

「……ネオくん…」



知ってるんだね、と華は顔を曇らせながら呟いた。



………本当なんだな。




「ネオくん、聞いてくれる?」



華は俺が寝そべっているすぐ隣に腰を下ろした。



俺の視界には、雲がゆっくり流れる空しかない。




だから、華の表情は伺えない。




………いるのかすら、わからない。





気配が、…気配がないんだ。




「私ね、死んだの。事故で」



華の声はまるで風のようで。



どこかに行ってしまいそうだ。
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