ミックスラブルス
俺は手を叩きながら花原さんに近寄った。

「ありがとう、だけど高畑くんも序盤からフラット打つなんてすごいよ」

花原さんが笑顔で言ってきた。

「あれはたまたま甘い球が来たから打ち込んだだけだよ」

俺は微笑みながら言った。

「そうなんだ、じゃあこれからもフラットお願いね」

花原さんはそう言って自分の配置に向かった。相手は俺たちが配置に着いたのを確認してサーブを打ってきた。花原さんは相手のサーブをうまくロブで相手もボレーヤーの後ろに落とした。

「お願い」

「任せて」

相手はサイドチェンジをしながら後衛の人が球を打ち返してきた。相手の返球は俺の頭上に飛んできたが高さが低かったので俺はジャンピングスマッシュを相手のコートの中央に打ち込んだ。

「おっしゃあ」

俺のスマッシュはうまく決まって俺は声を出した。

「30対0」

「ナイススマッシュ、高畑くん」

花原さんが俺に近寄ってきながら言ってきた。

「おぉ、ありがとう、だけど良くロブをあんなに正確に入れたね」

俺は花原さんのあまりのロブテクニックにびっくりした。

「私ロブ得意だからうまく高畑くんに繋げたかったからロブで相手の陣形を崩してみたの」

花原さんは得意げに言ってきた。

「そうなんだ、じゃあこの調子でゲーム取っちゃうか」

俺は笑顔で花原さんに言った。

「そうだね、でも冷静に攻めていこうね」

花原さんが冷静になりながら言ってきた。

「了解」

俺はそう言って次の配置に着いた。

そしたら相手がサーブを打ってきた。今度はコーナーに打ってきたので俺は角度をつけて逆サイドに打とうかと思ったら、相手の前衛の横が開いていたのでストレートに相手のサーブを打ち返した。そしたら相手の前衛が反応さえも出来ずにポイントが決まった。

「おっしゃあ、決まった」

俺はガッツポーズをしながら大声で言った。

「40対0」

「ナイスリターン、すごいよ高畑くんサーブリターンで相手のボレーヤーの横を打ち抜くなんて」

花原さんが興奮しながら近寄ってきた。

「あれが俺の得意な球なんだ」

俺は得意げに言った。


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