ミックスラブルス
「そ・・そうだよ、俺たちはただ普通にダブルスをしていただけなんだからそんなわけないだろ」

俺はあまりの恥ずかしさに顔が真っ赤になっていたから見つからないようにうつむきながら花原さんに続いて言った。

「まぁそこまで言うんじゃあこれ以上は追求しないけど、少なくとも私たちはいいミックスダブルスのペアだと思うよ。」

上川さんが俺たちを交互に見ながら言ってきた。

「俺もそう思うぜ」

光輝が頷きながら言った。

「そんな・・・でも、ありがとう、うれしい」

花原さんが恥ずかしがりながらも礼を言った。

「そこまで言うんならお世辞じゃあないみたいだな」

俺は大きく鼻で息を吐いてまったくと思いながら言った。

「お世辞なわけないでしょ、ほんとにすごかったんだから」

上川さんがぷぅっと頬を膨らませながら言ってきた。

「そうだそうだ、俺はそう簡単にお世辞なんて言わねぇよ」

光輝も上川さんに続いて言ってきた。

「あぁ、分かったよ、ありがとうな」

俺は上川さんと光輝にお礼を言った。

「あ、もうこんな所まで着ちゃってたんだ。

上川さんが言ったこの一言にみんな反応して周りを見渡した。そしたらもうすでにいつも別れる地点まで来ていた。

「そっか、じゃあまた明日学校で」

光輝はそう言って自分の家のほうに歩き出した。

「じゃあまた明日」

俺もそう言って光輝と途中まで一緒の方向だから光輝を追った。

「また明日ね~」

上川さんが大声で言いながら手を振ってきた。花原さんも手を振ってくれた。俺たちは花原さんたちが見えなくなるまで手を振り返した。

このまま俺は家に帰って、布団の上でボケ~ッとしていた。頭の中は花原さんとのことだけでいっぱいだった。

「これからどうなるのかなぁ~」

俺は独り言を言いながら今日あったことを思い出していた。

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