からっぽな街
「はあ?品川小とか、いらないし。」
辞めてくれー。この二人は、要注意。と、心に刻む。
「ほら、きらり、どうするんだっけ?」
「あ。そだ。はい、どうぞどうぞどぞ!」
ふざけながら言うので、リッツが噛み付かないか心配だった。
「うざー。」
あ。やっぱり。苦笑いしながら、班の顔を見た。ニケとちゃちゃは、ははは。と、ひきつった笑みを浮かべている。ああ。優しい子達だ。
「ほら、ぽくの番だよ。」
小学校二年生のポクは、坊主頭で少しふっくらした子供らしい子どもだった。
「え?おで?あ、ぽくです。」
それに加えて、おっとりしていた。
「え?僕?」
リッツが、つっけんどんに言う。この子の言い方は、どうもトゲがある。
「……。」
怯えたぽくは、物が言えなくなる。しゅんとして、体を縮こまらせてしまった。
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