からっぽな街
永遠と、線路の上を歩いていた足を止める。砂利の音が止まり、世界が、しんと、静まり返る。一旦、後ろを振り返る。
永遠と、直線に続いている線路。照りつける太陽、滴る汗、遠くの砂漠。
線路の上に、腰を降ろして、休憩をする。自分が住んでいる街が見える方向に座って、リュックから、水筒を取り出し、ぬるくなった水を、浴びるようにして飲む。たいして喉が渇いているわけではなかったが、そうした方が、雰囲気が出ると思ったから。
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