からっぽな街
「山中さんってさ、おもしろい人だね。」
「でしょ。」
「私、頑張ってるねって、言われちゃったよ。」
歩きながら、テツヤの横顔を見る。
「うん。ユウは、いつも頑張ってるよ。俺、そういう頑張り屋な所、大好きだよ。」
満足げに語る、そういう、テツヤの鈍いところが好き。
「そうか。山中さんも、やっぱりわかるんだね。ユウは、俺の、自慢の彼女ですから。」
後ろから、腰に、ぎゅっと腕をまわされる。顔が近づくと、お酒の臭いがする。
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