甘いニオイと先生のキス
差し出したチョコレートを震えながら引っ込める


もう…ヤダ…


ちょっと期待した私、バカみたい


泣かないようにギュッと歯をくいしばった


先生はまだ私の前に立ったまま


早くどっか行けばいいのに


泣けないじゃん…


ふわっ


先生の大きな手が私の頭の上に置かれた


「ありがとな…」


優しい声が頭上から降ってくる


先生は私の持っていたチョコレートを取って、前、一緒に座った場所に座った





< 88 / 155 >

この作品をシェア

pagetop