(コラボ)沈黙するケイタイ~交点の烈~

沈黙するケイタイ



呼び寄せて、欲しくはないけど。


「何か、解放されると、呆気なかったような」

ナユタはつぶやいた。

アユタがつかまっているものだと思っていたので、緊張してここにいたのに。

まあ、よかった。

あの時の、ハラハラを、思い返すのも、怖くなる。

こんな今がやってくるなんて、思いもしなかったんだから。

こんな今。

ベリルが、何もかも、片づけてくれた。

「また、何やってるの?」

アユタに訊かれた。

「うん。ベリルに、お礼言いたいから、電話くれって」

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