先生なんて言わせない
プロローグ

「んん…」



何だろ…。

頭がズキズキする。



あたしは眉をしかめながら、重たいまぶたを押し上げた。


体もだるい。

…風邪?



そこまで考えた時、大好きな人の最後の悲しい微笑みが頭に浮かんで、すべてを思い出した。



――そうだった。


昨日、やけ酒をしたんだった。



初めて飲んだ苦くておいしくないお酒の缶を何本も開けた気がする。


ということは、これが二日酔いってヤツ?



それにしても、あたしはどうやって帰ってきたんだろう。



お酒で記憶を無くすって話は聞いたことあるけど、

それを初めて体験して、あたしはゾッとした。



――お酒って怖い。



とりあえず、薬を飲もう。


父が飲む二日酔い用の薬があったはずだ。

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