先生なんて言わせない

└ 繋ぎたい手


「何かいいことでもあったの?」


オクラホマミキサーを委員長と踊っていると突然言われた。



「え?」


「なんか顔がうれしそうだから」


「ええ!?」



うれしいこと…あったのかな?



自分で自分のことがわからず、考え込んでいると、

すぐにパートナーチェンジになり、安藤先生の手を取った。



何で次が先生なのかって言うと、生徒達がクラス順、背の順にならんでいる間に、

先生達がランダムに入っているんだ。



「本当にうれしそう」


安藤先生の言葉にヒヤリとした。


委員長との話が聞こえていたのか。



「佐野先生の言葉…?」


安藤先生はさらにたずねてきた。



それを聞いて、あたしの顔は熱を持った。



佐野先生の保健室での言葉を思い出したんだ。

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