先生なんて言わせない

それから佐野先生を無視し続けて、ようやく学校に着いた。


すぐにあたしは職員室に直行した。



キョロキョロと見回し、担任の先生、五十嵐茂(いがらし しげる)を捜す。



見つけた瞬間、あたしは声を張り上げた。


「五十嵐先生!」


「お~高村、どうした?」


五十嵐先生はのん気に返事をする。



小走りで先生の元へいくと、一気にまくし立てた。



「佐野先生が、朝、あたしを送るのをやめてもらえませんか?

毎日そんなことしてもらうわけにはいきません」



何より、あたしの心が持ちません。


気まずさと、カッコイイ顔と体に密着するドキドキと。



「生徒がそんなこと気にするな。

学校側としても毎日のように痴漢にあうなんて聞いてほおっておけないだろ?」


「毎日なんかじゃ…!」

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