心泥棒!!


「ここは?」

着いた場所はなぜかライブハウス。
誰もいない静かな場所。

「俺の本拠地。」
「?」
「バンドやってるって言ったでしょ。まさか・・・。」
「忘れてました。」

ほんとに急展開で私の頭は
全然追いついてなかった。

ライブ・・・。
なんか瀬田さんにしっくりくる。
見た目のせいなのか?

「ゆとく~ん」

高めの声に振り向くとそこには
かわいらしい人が立っていた。

「はる!来んの早いな。」
「まね~。ん?彼女?」

はると呼ばれたひとは
つかつかとこっちにきた。

「あぁ。彼女の”宮野 心”です。」
「裕子ちゃん?」

裕子?誰?

「いや心。どう聞き間違えるの?」
「だって!!!」

はるさんが叫ぶと瀬田さんは首を振った。

「こーこーろー。」

「そっか・・・。」

はるさんは不満そうに私を見た。
裕子って人が関係してるのかどうかは
分からないけど
はるさんはとにかく不満そうだった。

「こいつはボーカルの横山 春。」
「よろしくね~。にしてもにてんな。」
「はる。」

瀬田さんがまたはるさんの言葉を止める。
なんなんだろう。
また胸のあたりがもやもやしてきた。


そんなことを考えていると続々と
メンバーが集まってきた。

ボーカルのはるさん
ベースのルキさん
ギターの宏一さん

そしてみんなはるさんとおんなじリアクションをする。



   裕子

この人はいったい誰なんだろう。
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