6年目の愛してる
紗絵が俺の傍にいることで辛い思いをしているんじゃないかって。
だから、俺は紗絵と距離をとることにした。
夜は少し遅めに帰ったりすることが増えた。
次第に紗絵との会話も減っていった。
でも紗絵は、どんなに俺が遅く帰ろうともご飯を作って待っていた。
俺にはそれが嬉しくて嬉しくて仕方ないことだった。
でも、何を話せばいいのか分からなくなっていた。
俺の発した言葉で紗絵を傷つけたくなくて。