6年目の愛してる




「あ、この花屋が可愛くていいって女子社員がいってましたよ!」

「おう。さんきゅ」




課長と二人で花屋に入った。




「あ、あの人カッコよくない?いいなぁ~・・」

「あの人彼女さんもキレイな人だね!お似合い~」




なんて、ヒソヒソ声が聞こえてきた。


さすが課長。女装して彼女のフリしてる俺も鼻が高いっす!


俺が女だったら本気で課長狙う!


でも俺は別にゲイだとかオカマだとかってわけじゃなくて、ただ女装が好きなだけ。


姉が三人もいる俺は幼い頃から姉に着せ替え人形にされたり、


髪型をいじられたり、女のファッション誌を読ませられたりとかしていた。


そのうち女服のコーディネートしたり、化粧したりするのが楽しくなってきて


自分が考えたコーディネートとか、化粧とか、周りからみたらどうなんだろうって気になって。


それでもそれを着せる相手も、化粧する相手もいなかったから自分で着て、自分で化粧して、街に繰り出すようになった。


だからこんな風にキレイだとか、課長みたいなイケメンとお似合いだって言われると


俺のセンスを褒められてるみたいで結構嬉しかったりして。




< 82 / 174 >

この作品をシェア

pagetop