晴れ·ドキドキ·ズッキュン
とにかく、あたしたちは、全国でも有名な伊勢神宮に、車で向かったの。


行きの車内は、険悪ムードが漂って。

しまいには、別れ話まで出たくらいで。


正直、泣きそうになった。

怒ってる自分も、黙ってる自分も。


……でも、大丈夫だった。

結局のところ、

「これからも二人で頑張って行こ」

って、二人で顔を見合わせ、仲良く帰った。


因みに運転はアタシ。

行きも帰りもアタシ。


だけど、心はぽかぽか。

なぜなら、彼と手を、ずう〜と繋ぎながら、運転してましたもの。


忙しかったり、睡眠不足だったり……。

上手に気持ちを入れ替えないと、考えなくても良い「ショウモナイコト」 が、頭の中でクルクル回る。


気持ちに余裕があって、落ち着いてたら、クリアー出来る問題なのに。

「私弱っ」って思った日、また、久しぶりに泣きながら彼とケンカした。

ケンカも大事やなぁ、としみじみ思った。


──お伊勢さんの内宮の橋を渡る時、隣の上品なご老人がアタシたちに向かって、こんなことを言ってた。

「今日と言う日は一度だけ。だから頑張って、頑張って歩くのよ。よいしょよいしょ〜」って。


今でも頭から離れない。

メッセージかな、って思った。

だからこれからも、ずっとずっと、「大丈夫」なんだよね。



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