隣の先輩
 咲とはあのときのことを気にせずに、普通に話をできていたと思う。


 そんなことにほっとしていた。


 それはやっぱり先輩がいてくれたからだと思う。


 でも、何かと折り合いが合わず、結局愛理の家に行っただけで、咲の家にも私の家にも来たことはなかった。


「今日、用事ある?」


 私は咲の言葉に首をかしげる。


「私の家に来ない?」


 突然そんなことを言われて、驚いたけど咲の家には興味があったから行ってみたかった。


 私はそんな彼女の申し出を受け入れていた。


 彼女の家は庭付きの一戸建てだった。


 家の敷地の中に入ると、よく手入れをされた花壇が目に飛び込んできた。


「これ、お母さんの趣味なんだ」


 なんとなく、咲のお母さんはお花とか好きそうな感じがする。
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