甘い魔法②―先生とあたしの恋―


すぐに態度を変えた先生が少しおかしくなって、しかめっ面を保つのは無理だった。

我慢できなくて笑みを浮かべたあたしを見て、先生も安心したような表情になる。


「……心配した?」

「したよ。寮帰ってきたらいねぇし。電話したのに出ねぇし。何かあったんかと思った。

こんな時なんだし、せめてメールぐらい入れとけよ。本当に誘拐でもされたんかと思って心配してたんだからな」

「……ごめんなさい」


三回目の「ごめんなさい」に、先生は困り顔で笑う。


「本当はもっと意地悪してやろうと思ったのに。市川があんまり可愛い事言うからつい……。

なんで俺が謝ってんだろ。俺悪くねぇのに」


本当に困ったように笑う先生に言われて、あたしは自分がさっき言った言葉が恥ずかしくなって口を尖らせる。


「だって、先生が無視するから」

「だって、俺怒ってたし」


同じ口調で言う先生に膨れて見せると、先生はそんなあたしを見て笑う。



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