甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「全然来てくれないんだもんっ。1年振りくらいじゃん。
そんなに忙しいの? 学校の先生って」
口を尖らせながらも嬉しさを隠せていない女の子に、先生が微笑む。
「久しぶりだな、秋穂。背伸びたな」
「子供扱いしないでよ。ハルくんはいっつもあたしの事妹みたいに言って……」
「だって妹みたいなもんだろ」
先生の言葉に明らかに不貞腐れた女の子の視線が、あたしを捕らえる。
じっと、睨んでいるようにも見える強い眼差しに、あたしは小さく肩を竦めた。
多分年下だと思うけど……。
長く伸びた黒髪のせいか、大人びて見える。
「あ、秋穂。こいつ、俺の彼女。
で、市川。こっちは秋穂。俺の妹分」
あたしが竦めた肩を抱き寄せながら言う先生に、一応笑顔は作ってみたけど。
険しくなっていく秋穂ちゃんの瞳を前に、それは意味を成さなかった。