鳥籠

第六節

新しいボーカルは決まった。
あたしが、オーディションであくびをしている間に、何だかひょろっとした黒髪の綺麗な男の子に決まった。
どっかの雑誌でモデルやってたとか言ってたっけ。
おざなりによろしく、と握手だけした。
どうせあたしはろくにギターなんか弾かないんだし、横でうろちょろしてるだけだ。
あたしをほっといてくれる人、が、唯一ボーカルに求める条件。
音楽的な話は、あたし以外とすれば良い。


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