一枚の壁


ルドルフside






フリッツ大佐は、ハンス兄ちゃんに必ず連絡をすると言ってくれた。


でも、兄さんはポーランドで戦っているらしい。


死も恐れない、戦いぶりだと言っていた。


入隊三年目でもう、昇進するらしい。









その話をして、出てからもう数時間が経った。






僕はどこにいるのだろう?








「姉ちゃん!!
おばあ様!!」







「坊主、起きたか。

誰と話していたのか、言え。
さもなくば、お前の姉さんをここに拘留する。」



「僕は、ベルリンにいるママに連絡しただけさ。」






「嘘をつくな!」








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