一枚の壁
私はかかりつけの、ベルンハルト先生の医院に行った。
家から徒歩15分ほどの場所にあるベルンハルト先生の医院は、古いけど清潔感のある建物だ。
私は診察券を出し、呼ばれるのを待った。
しばらくして、呼ばれて中に入った。
『久しぶりだね。
クリスティーナさん』
ベルンハルト先生は少しお年を召されたようだけど、相変わらずダンディーだと思った。
「お久しぶりです。
ベルンハルト先生」
『元気そうだが、どうしたんだい?』
「実は…」