valentine×kiss×2
私の恋


先にフロアに戻った私は、戦場と化した狭いカウンターの内側で、元気よく仕事を始めた。

香川くんがくれた小さなチョコは、私に元気をくれたんだ。

そんなこんなで、気がつくとに閉店時間を迎えていた。

あ~、とうとう終わっちゃったんだな。

これでみんなとお別れなんだと思ったら、

寂しくて。

これで香川くんともお別れなんだと思ったら、

涙が出そうになって。

ここで別れたら、住んでる地域が全く違う私たちは、偶然会う事もきっとない。

やっぱり今日でお別れなんてイヤだよ。

振られてもいい。
自分の気持ちを伝えたい。

でもいつ伝えよう。

帰り、外に出て来るのを待っていてみようかな。

そんな事を考えていた私の耳に、釜石さんの言葉が入って来た。

< 28 / 40 >

この作品をシェア

pagetop