煌めく青春を取り戻す、君と──
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「あれ……?朝?」

目が覚めると、部屋に光が射し込んでいて、朝なんだと実感した。

私は朝まで寝ちゃったんだ……。

あれ?対馬さんは?

作業場かな?

「対馬さん……」

作業場に入ると、対馬さんと福島さんが床にゴロ寝していた。

テーブルには原稿が散らかっていて、ペン入れが終了したページに指定したトーンが貼られていた。

ペン入れが終わると、ネームの紙にトーンの指定を書いておくのだけれど、対馬さん達は手慣れたもので、

トーンの番号、切り方や効果の使い方をマスターしている為、作業は早い。

……けれども、私は今頃、気付いたんだ。

この2人が、夜明けには仕事だと言う事を…。ここで手伝いをしてくれて、少し仮眠をして、夜が明けたら……今度は自分の職場で仕事。

締め切り前は、寝不足なんて当たり前な位、忙しくて……

けれども、文句を言わずに必死に手伝ってくれる二人。

職場での仕事に疲れてるハズなのに、徹夜に近い形で一生懸命に手伝ってくれる二人。

床の上に転がりこんで、スヤスヤと眠る二人を見てたら……

何だか、涙が出てきた。

私がアシスタントを採らないが為に……迷惑をかけている。

その事実を今頃、私は理解したから。

ごめんね……、ごめんなさい、無理してるのは私だけじゃないの。

寧ろ、私なんかより、二人の方に無理させているんだから―――……
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